占い師が教える幸せになる恋愛論｜不倫／浮気／復縁の悩み解消コラム

まず初めにお伝えしたいのですが、私は個人的に不倫を否定するつもりはありません。出逢うのが遅かっただけで、真の愛が育める不倫もあると思います。実際に、既婚者と交際していて相手が離婚を決意し、不倫という関係を脱して愛する人と結婚できた……というお客様を何人も知っています。

また、私自身も若い頃に既婚者の男性に恋心を寄せた経験があります。「好きになってはいけない」と思っても、恋愛感情は芽生えてしまえば止まらないものです。周囲に公言しにくい恋とはいえ、いったん好きになれば想いを抑制するのは簡単じゃないということを、身をもって体験しています。気づいたら深く悩み、そして傷つくような状態に陥っていました。

けれど、本能のおもむくままに行動することが間違いだとは思いません。他人に「恋に対して奔放」「既婚者じゃなくても、男は世の中にごまんといるのに」なんて言われても、自分の恋心に正直に、のびやかに想いを表現できるのは素晴らしいことです。また、生涯がある恋と知っていて飛び込んでいくのですから、不倫をする人は勇気があるとも感じます。

ただ、最終的にどんな結果にたどり着くとしても、不倫をするときに忘れないでほしいのは、「家庭を持つ人と結ばれる場合、必ず傷つく人間がいる」ということです。
自分が独身で相手が既婚者なら、その配偶者や子どもには少なからずダメージが与えられます。あるいは、自分が既婚者であれば、かつては永遠の愛を誓った結婚相手を裏切ることになるのです。
さらに、不倫による離婚が円満に解決するケースは稀で、大なり小なり悲しい一面を持つものです。好きな人と結ばれる未来が見えていても、心境穏やかではない場合が多いでしょう。



脅すつもりはないのですが……自分の配偶者を略奪された人の悔しさや憤りは決して穏やかではありません。また、人間の負の感情が持つエネルギーはとても強く、恨まれてしまったら、不倫愛を貫いても幸せを手に入れるのは容易じゃないと思います。
不倫をする当事者は、周囲に迷惑をかけても愛を貫きたいと覚悟できますが、そこに巻き込まれて「本当は離婚したくないのに、しなければならなくなる」人は、やっぱり可哀想だと言わざるを得ません。恨まないでほしいと思っても、無理な話だといえます。不倫愛を貫いて愛する人を独占することができた場合、その幸せは誰かしらの不幸の上に成り立っているという自覚が必要でしょう。

というのも、不倫の関係が晴れて周囲へ公言できるような仲になっても、罪悪感に苛まれて悩む人が結構いるためです。愛する人と結ばれる代償として、別れた夫に親権を取られて子どもを失った女性が、かつての家族と顔を合わせるのが怖くて遠方へ引っ越したという話を聞いたことがあります。また、不倫相手と再婚したけれど、元妻との離婚が泥沼状態となり、「もう恋なんて一生したくない」と懲りた男性もいました。

私が感じるのは、不倫から本当に幸福をつかんでいるのは、かなりのツワモノだけということです。しっかりとした自分を持ち、どんな状況でも強い心を維持し続けられる人が、愛する人を奪われた怨念ともいえる気持ちさえも跳ね除けて、自らの幸せを追い求められるのだと思います。

だから、不倫をするなら「したたかさ」と「貪欲さ」は必ず持っていてほしいと思います。また、圧倒的な負のエネルギーが向けられるかもしれないという覚悟はするべきでしょう。
そうじゃないと……きっと負けてしまうはずです。やっとの思いで好きな人を独り占めできても、後ろめたさや罪悪感に追い込まれたり、「また不倫するんじゃないか？誰かに取られたらどうしよう」といった不安に駆られたりするかもしれません。

私は個人的に、不倫は恋愛上級者向けだと思っています。障害があることが初めからわかっている恋愛ですから、悩みなく成就させるのは、やっぱり難しいのです。
なので、自分が傷つきたくない人は、安易にのめり込むべきではないかなと考えます。少なくとも、他人に気を遣いがちな人や、自己主張が苦手なタイプ、心が敏感で打たれ弱い人は避けた方が良いかもしれません。